野村さんの教育論
野村主義 - 勝利への執着力
![]() | 野村主義 (2009/05/27) 野村 克也 商品詳細を見る |
野村監督就任前のヤクルトのキャッチフレーズは「伸び伸び野球」でした。いつもニコニコしているイメージの関根監督、池山選手、広沢選手、一茂選手の頃です。プロ集団であるのに「伸び伸び野球」であることを次のように表現しています。
『「伸び伸び野球」などというキャッチフレーズも、「自分らはアマチュアみたいなものです」と宣言しているような自虐性すら感じさせる[p.99]。』
強いチームにはある程度の規律が必要ですし、規律があってはじめて自由が成立します。それは会社の組織においても同じです。ここから、野村さんの9年間にわたるヤクルトでの「人間教育」がスタートしました。

人を教えることは本当に難しいことです。野村さんはいろいろ考えていて参考になります。
『私がコーチ陣に徹底させているのは、「よく選手を観察して、ヒントだけを与えろ」ということだ[p.193]。』
『そして、向こうから教えを乞うようになったら、初めて集中的に技術的な指導を行なう。「うまくなりたい」という欲が芽生えたとき、人は吸収力を発揮するものだ[p.195]。』
全くそのとおりだと思います。
『「育成」とは、自信を育てることに等しい』これは、私がチームを率いるうえで、片時も忘れたことのない指導方法の基本である[p251]。
追記 ある病院の先生が医局員には「人事」と「教育」が大切であると話されていました。人事とは昇進・昇格、そして本人にプラスとなるキャリアプランを用意すること。教育とは臨床や学術研究で自信をつけさせること。野村さんと同じです。

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