FBIアカデミーで教える心理交渉術 - どこでも使える究極の技法さすがFBIのプログラムです。大変勉強になりました。本書は以下の考え方をベースに交渉術が書かれています。
『この世の交渉はすべて(外交交渉から家の購入にいたるまで)、必ず次の三大要素をもつ[p.9]。』
交渉力を構成する三大要素とは
「情報」「時間」「力」です。これを制する側が、交渉を有利にすすめることができます。
1.情 報交渉する側と交渉相手側、どちらがよく知っているか、情報量の差が交渉の力関係を決定します。
■隣のお店の値段、モデルチェンジの時期、決算など販売店員のノルマ、商品の人気の度合いなどの情報があれば交渉はより有利になります。
■過去にその相手と交渉した人から情報を集め、相手がどういう交渉戦略で望んでくるかを予想し、事前に数パターンの交渉シナリオを練っておくこと。
■価格など相手の譲歩の幅から許容限度をはかることができます。また、こちらとしては駆け引きとしてまだ余裕のあるところで、あえて譲歩の幅をせばめて、限界に思わせる方法もあります。
2.時 間自分に時間的制約や締め切りあるように、相手にもそれがあります。
■どんな相手であろうと必ず期限があります。やってはいけないのは交渉の後に予定を入れることです。時間の関係から譲歩せざるを得ない状況になるかもしれません。
■ただし、こちらとしては、必ずしも期限に従う必要はありません。
本書には、期限は交渉の産物である場合が多いから期限そのものを交渉してもよいはず、とあります。
期限に遅れたらどうなるか?損害や罰金はどの程度不可避か?を検討し判断しましょう。場合によってはわざと先送りにしてもかまいません。
3.力相手は自分より相手のほうが権力、能力を持っているように思えるものですが、いろいろな方法でこちらの交渉力を高めることができます。
■交渉相手の欲望を分析して、お互いの要望から交換条件をつくり出すことでこちらの要求を通すことができます。例えば、店員に対して商品をほめると交渉力が下がり、反対に、「キズがある」、「ほしい色が無い」と言うと交渉力が上がります。他店ではもっと安いことを知らせるとこれも交渉の立場は上がります。
■もしもの話は効果的。もしも4台購入したら・・・・、もし配達ではなく現品を自分で持って返ったら・・・・好都合な取りはからいがある可能性があります。
■自分の価値(立場)を引き上げるためには相手のライバル(他の選択肢)を作ることが有効です。反対に他の選択肢がなく、この相手としか交渉できない場合は、こちらが不利になります。「必ず~」の状況は不利、「どっちでもいい」という状況を作る方が有利になります。
■人は印刷物を畏敬の目で見る習慣があり、特に公式なものほど効果が大きい。公式なものがなければもっともらしく自分で作って交渉しましょう。
■団結によって得られる利点があります。危険全体を分散できる、あなたのプレッシャーの分散、団結感が力として相手に伝わるでしょう。
■自分の専門知識を相手に印象づけることで相手にプレッシャーを与えることができます。反対に、相手の専門知識は「専門用語を使わないで説明してください」、「よくわかりません、3分前からわかりませんでした」などと切り返すのが有効です。
■先例を使って自分を正当化する。できる限り過去の事例を探しましょう。もちろんこちらに有利となる事例を探すこと。
■法律を味方につければ交渉は勝ったも同然です。
■人を説得しようと思ったら、自分の言っていることが相手の要望とどんな関係があり、どんなふうに大切かをわからせるように説明すればよいのです。
だから、愚かな人や頑固な人と交渉することは大変難しいのです
。 追記 本書で勉強したら交渉術を実際に使ってみましょう!対家電量販店の店員さん、対自動車販売店のセールスマン、対奥さん(だんな)、対上司などなど。
