できるビジネスマンのための「本当に使える」勉強法本書はたくさん出版されている勉強本を吟味し、その中からベストな方法を抽出することを目的として書かれた本です。参考になる本、ダメな本をいろいろ紹介してあり、私が読んだことのある本もたくさん出てきて大変面白い一冊でした。本書は忘れたころにもう一度読もうと思う一冊です。
私は、これまで勉強本を数冊読んできましたが、たしかに「意味不明」「そんな無茶な」「結局何?」という本はたくさんありました。
このようなことに対して著者は以下のように述べています。
『どうでもいい著者のエピソードや、著者以外には実行不可能な方法、著者の思いつきなど、無駄な贅肉がたっぷりついている本が大半です[p.13]。』
『今書店に並んでいるベストセラー勉強本で、有益な箇所は本当に少ないのです[p.22]。』
この考え方は本当に目からウロコが落ちました。
本に書いてあることは正しいことばかりではありませんし、自分に合わないこと、意見の相違ももちろんあります。基本的に本を書くような人たちは輝かしい経歴の成功者です。それを読んで「意味不明」なのは、自分の能力が低いからだと思っていましたが、わけのわからない本もやっぱりあるようです。
本書では以下のような本が紹介してあり、例えば、以前紹介しました
■「本当に頭がよくなる1分間勉強法」については
『普通に考えて、1分間で勉強できるわけがありませんが、タイトルにつられたためか大売れしました[p.22]。』
『「ただ単に、本の1ページ1ページを感じ取って、めくっていくだけ」というもの。「何が書いてあるかわからないことが大切」とも。素晴らしい[p.22]。』
とかなり低い評価です。
ちなみに私のブログでもあやしい内容・・・・と紹介していました。でもなぜかよく売れた本です。
関連リンク 「速読の方法は「慣れ」しかない」■「できる人は知っている頭のいい勉強法」より
『目標は自分の胸に秘めているより、周囲に公言してしまうほうが、自分を実行へ駆り立てる力が何倍にもなります[p.40]。』
『次から次へと新しい本や講義にに手を出し、結局何も身についていない。こういう人が大多数です。勉強時間の割に成果が上がらない人は、ほとんど例外なくこういう人です[p.42]。』
筆者は本書の、この2点を評価しています。これはたしかにそうです。
■「無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法」より
『このところの売れ線の本のタイトルで目立つのが、「大げさな数字」や「命令形」です。(中略) 基本的に、こういうタイトル倒れの本は読むだけ時間の無駄です[p.46]。』
勉強法と言いながら、文房具やパソコンなどの小道具の説明ばかりとバッサリ切り捨てています。
■「竹中式マトリクス勉強法」より
〝ノートを作る=勉強〟なんとなく持っているイメージです。これが実はダメと竹中さんは指摘しています。
『本書の不正解は「必ず自分の手でまとめよ」というところです[p.65]。』
『そのサブノートを読み返す人は驚くほど少ないのです[p.65]。』
たしかにノートを書くと安心し、それで終わり・・・となってしまうことは多々あります。
『だとすれば、最初からできているものの読み返しに時間を当てたほうが、はるかに頭に入ります[p.65]。』
よくいるのがノートを一生懸命作って、勉強した気になっている人とも書いてあります。多くの場合、書いて満足し、ほとんど記憶できていません。ノートを作るのにも時間がかかります。
関連リンク 「勉強マトリクス」■「本は10冊同時に読め!」より
『この本自体はまったく薦めませんが、あるジャンルの本ばかり読んでいると、しだいに「限界効用」も大きくなります。読書慣れしたら、今まで自分が読んだことのないジャンルの本にも手を出してみましょう[p.88]。』
幅広く、多読!ということには賛成!たしかにいろいろなジャンルの本を読んでおられます。この著者、かなり面白い人です。
関連リンク 「読書は必須」関連リンク 「読書は必須2」■「いつも目標達成している人の読書術」より
『自分の本やビジネス書ばかり読んでいると、発想も硬直しますし、なにより読書に即効性を求め、読書スタンスがどうしても卑しい方向に向いてしまいます[p.93]。』
もしかして私?
マインドマップや読書ブログをススメテいるだけで、
『どうすれば「いつも目標達成」ができるのかがよくわからない[p.94]。』
とこの本も酷評されています。
■「読書は1冊のノートにまとめなさい」より
『自分で本の要約をノートにするのは、手間ばかりかかって、まったく頭に残りません。その手間があったら、直接もとの本を再読すべきです[p.106]。』
そのとーりかもしれません。
関連リンク 「読書の記録法」 
今後、自分の判断を信じて、いい本はいい、ダメな本はダメ、勉強になる箇所は取り入れ、意味の不明の箇所は忘れるようにします。
追記 『一般の「勉強」は、さまざまな本を買い集めて読む多読、雑読が望ましいといえます。反対に、試験が絡む「お勉強」は、1冊の本を集中的に学び、他の本はすべて補助として使うという、発想の切り替えが必要になります[p.92]。』
と本書に書いてありました。これも納得。

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